お助け部ッ☆
っつか今この子、兄貴って言ったよね?
あたしが記憶している中で、兄貴って呼ばれたことがあるのは翔平だけ。
ってことは……まさかっ…!
『ね、翔平』
「あ?」
化粧落としを受け取り、さっそく化粧を落とそうとしている翔平。
『あんた、妹もいたの?』
「は?」
この子、翔平の妹なんじゃね!?
だって何処と無く女装した翔平と似てるもん!
「いないし」
『え?』
じゃあ……やっぱ誰?
「俺だよ、姫さん」
姫さん。
あたしのことをそう呼ぶのは、山口組の組員さんと………え?もしかして……
『恭くん?翔平の弟の恭介くん!?』
「はい」
さ、3人目のモデルは恭くんだったんだ……
ってゆーか…
『兄弟揃って女装美人…』
「「うるさい」」
そう言う2人の手には、仲良く1本ずつ木刀が握られていた。
仲良く……木刀ォォォ!?
兄弟揃ってドS。
お前ら仲良すぎじゃね?
「ちょ、落とすなよ!」
「もうちょっとそのままでいろって!」
「なんでだよ」
「「可愛いから」」
「切り裂くよ?」
化粧を落とそうとしている翔平を止める翼先輩と仁。
何してんだよ、まったく。
「ね、聞かせてよ。今日の話」
まだあたしの頭に顎を乗せたままの竜也が、恭くんに言った。
だから痛いんだってば。刺さってるんだってば。
でも。
『あたしも聞きたい!』
莉央はともかく、翔平と恭くんの女装は予想外だったから、すっごい興味があるんだよね。
「いいですよ?えっと、今朝………」