お助け部ッ☆
携帯の向こう側から、ただならぬブラックオーラを感じた俺は、莉央さんや兄貴の通う学校へと走った。
「なんで朝から…」
まだ早朝。人も少なく、爽やかな朝限定の引き締まるような風が心地よく吹いていた。
清々しい朝だけど。俺にそれを心地よく思っている余裕はない。
何故かはわからないけど。
学校に近づくにつれ、異常なまでの悪寒がする。
昔から…勘はいいほうだから。
足取りは重くなるばっか。でも行かないと……俺に明日はない。
莉央さん、怒ると後が大変だからな…
この前……祐希と姫さんが拉致られたとき。
大した騒動になることなく解決したと思ったのに……佐野の野郎、夜中に組員を送り込みやがって。
莉央さんがキレて、組半壊…いや、8割破壊だからね。骨組み、崩れてたから。
おかげで翌日、俺と祐希でご近所に洗剤配りながら謝るハメに……
家の方の修復も大変だったし。
もし、俺が今から行かなかったら……あれが全部、俺に降りかかってくるわけで。
そこまで考えると、自然に歩みが速まった。
「まだ死にたくないかな」
そう呟いて、学校のデカすぎるくせに鍵のかかっていない門を開いた。