お助け部ッ☆




…まぁ、電卓ショートコントはこのくらいにしておいて。


あたしは諦めて、電卓二世と共に書類の山との戦いを再開した。


この書類たち。これこそ、すっかり忘れていた交流祭の予算案。


あたしたちお助け部は、お助け部条約に基づき、執行部を担わなくちゃならなかった。


あたしがやっている予算案の集計は、開催校の仕事。


つまり、翼先輩がジャンケンで負けて、この学校が開催校になったせいで!あたしはこんなややこしい計算をするハメに……


そして!電卓一世を失うハメに!!



『…っ電卓ゥゥ!!』

「うるせーよ」

『…すんません』



翔平さん、怖ぇ。


…普段の翔平なら、この時間はお昼寝タイムのはずなんだけど。


狙いは──…金一封。


この交流祭、文化祭のようなものらしく、各学校が出し物を開催校に持ち込み、披露するというもの。


一般客にも公開されて、その出し物の評価を競うんだって。


優勝校には、金一封。


また賞金絡むんだよね。


だから翔平さんは本気。


睡眠時間が1日12時間から1日10時間になるほどに。


……どっちみちよく寝てんじゃんか。



「ひーめーちゃんッ♪」



文句を言いながらも、電卓二世をはじいていると。


右斜め上から、愛くるしい声が聞こえてきた。



『莉央』



ニッコリと笑う、我が天使。



『どしたの?』

「疲れたでしょ。休憩しよッ♪」



おぉ、マイ・オアシス☆後光が見えます、莉央さま!






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