お助け部ッ☆



温かいミルクティーと、焼きたてのマドレーヌ。



『んふー♪幸せぇ』



これぞ至福の時…



「姫香」

『あ、りゅーや!』



極上のティータイムをしていたとき。竜也がどっかから戻ってきた。



「一個ちょーだい」

『ほいっ』



マドレーヌの乗ったお皿を竜也の前に差し出した。



「あーん」



……食わせろと!?
いやいや恥ずかしいですって!!だってそこで、仁と翼先輩がニヤニヤと見てるんですもん!!


………否定したいのは山々なんだけども。


目の前にいるキラキラとした瞳をして、口の中にマドレーヌが入ってくるのを今か今かと待ち望んでいる彼を裏切るのはとても難しく。


ってか可愛いんだもん!なんか子犬みたいなんだもん!


皿に乗っている一つをつまみ、口の中に放り込んだ。



「うまーっ♪」



瞬間、にぱっと明るい笑顔になった。


あー、今きゅんってなった。犬、飼おうかな。



「仕事、進んでる?」



あたしの隣に椅子を持ってきて、そこに腰かけた竜也。



『おかげさまで。…後退してます』

「後退?増えてんのか」

『竜也は?ってかあんた、今までどこにいたの?』



執行部として、お助け部は各々大忙し。


ここ、お助け部会議室──という名目のたまり場では、あたし・仁・翔平・莉央・翼先輩の5人で、予算案やら企画構成やら当日の出店の配置やらで、書類と交戦中。


大和先輩と神山さんは、交流祭に参加する9校に、なんやかんやと細かい時制みたいなのを聞きに行ったらしい。


で、竜也は………行方不明、ということになっていた。



「理事長室」

『理事長室?』

「理事長に呼ばれてね?今日分の作業が終わったら、みんなにも話すから」



そう言って、翼先輩の方に行ってしまった。


なんだ?なんかあったのかな??




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