お助け部ッ☆
その日の夜──…
あたしがお風呂から出てくると、リビングに全員集合していた。
『え、何?どしたの?』
その表情が、無駄に真剣だったので、思わずキョドる。
「姫ちゃん、座って?」
大和先輩に促され、あたしは椅子に腰かけた。
『なんかあったんですか?』
「今日、竜が理事長室に呼ばれてね」
あ、昼間にそんな感じのこと言ってたな……
「あんまり穏やかじゃない手紙が…姫ちゃん宛に」
『あたしに手紙?』
あたしに手紙をくれるような人なんて、いる?
地元の友達とはメールでやり取りしてるし、両親においては連絡先不明だし。
も、もしやラブレター!?
「これ」
大和先輩は、真っ黒の封筒をあたしに渡した。
うん、ラブレターにしては黒すぎるよね、これ。
差出人は不明。ただ、表に【綾瀬姫香様】と血文字を思わせる文体で書かれていた。
『ほんとに穏やかじゃないですね。危険な香りがぷんぷんします』
ってか絶対ラブレターじゃないじゃん。どっちかっつーと真逆じゃん。なんかこう、不幸の手紙の類いっぽいじゃん。
え、あたし誰かに恨まれてる?
「理事長も俺たちも、渡すかどうか迷ったんだけど…隠すと姫ちゃん拗ねるから」
す、拗ねるって!!…まぁ、あたし宛だし、隠し事は嫌いだけど…
「中は見てないよ」
『ありがとうございます』
封を切って、手紙を取り出した。
『なんじゃこりゃ』
黙読したあたしは、その手紙を大和先輩に返した。
「読んでいいの?」
『はい。ってか意味わかんないですよ、それ。いや、意味はわかるけどあたし宛にする意味がわからないです』