お助け部ッ☆








「あんた、何してるの?」



次の日。教室に入ってくるなり、あたしの方へやって来て、第一声にそう言った彼女。



超久々登場、芽依ちゃん。


毎日会ってるんだけどね、なかなか登場しないんだよね。



「…あんた、何してるの?」



あたしが答えなかったもんだから、もう一度繰り返す。



『何って…見てわかんない?』



ふふん、と自慢気に言ってみる。



「見てわかるのは…あんたがバカってことくらいね」



そう言って、席につく。



『ちょちょちょ!違うでしょ!?』

「違うの?」

『違う!…と信じてる!!』

「残念、とっくに裏切られてるわよ」

『ぬをー!?』

「変な声だすな、バカ」



うん、相変わらずクール&スパイシー。



「で、何してんの?」



頬杖をついて、あたしの方を呆れた顔で見つめる。



『どう見たって変装じゃん!!』

「マスクにでっかいサングラスにニット帽?古典的すぎて浮いてるわよ」



う、浮いてるー!?芸能人って、こんな感じで変装してるんじゃないの!?


……………違うか。



「なんでまた変装?」

『“綾瀬姫香”だとバレると困るから!』

「……お金なら貸さないよ!」

『え、何?芽依ちゃんの中でどういう結果に結びついた?』



パッとあたしから離れる芽依ちゃん。



「え?ヤミ金から金借りて、返せなくて追い回されてるんじゃないの?」

『変装ってだけで随分話が飛躍したね』



その想像力、素晴らしいけど。


…ってかあたしがヤミ金から金借りるような女に見えんの!?



「話が進まないわね」



誰のせいだと思ってんだよ!……………あたしだよね!芽依ちゃんならあたしのせいだと思ってるよね!!



「で、本当になんなの?」

『実は昨夜……』



あたしは昨日の晩、神山さんにされた話をした。





< 312 / 332 >

この作品をシェア

pagetop