お助け部ッ☆
「あんた、何してるの?」
次の日。教室に入ってくるなり、あたしの方へやって来て、第一声にそう言った彼女。
超久々登場、芽依ちゃん。
毎日会ってるんだけどね、なかなか登場しないんだよね。
「…あんた、何してるの?」
あたしが答えなかったもんだから、もう一度繰り返す。
『何って…見てわかんない?』
ふふん、と自慢気に言ってみる。
「見てわかるのは…あんたがバカってことくらいね」
そう言って、席につく。
『ちょちょちょ!違うでしょ!?』
「違うの?」
『違う!…と信じてる!!』
「残念、とっくに裏切られてるわよ」
『ぬをー!?』
「変な声だすな、バカ」
うん、相変わらずクール&スパイシー。
「で、何してんの?」
頬杖をついて、あたしの方を呆れた顔で見つめる。
『どう見たって変装じゃん!!』
「マスクにでっかいサングラスにニット帽?古典的すぎて浮いてるわよ」
う、浮いてるー!?芸能人って、こんな感じで変装してるんじゃないの!?
……………違うか。
「なんでまた変装?」
『“綾瀬姫香”だとバレると困るから!』
「……お金なら貸さないよ!」
『え、何?芽依ちゃんの中でどういう結果に結びついた?』
パッとあたしから離れる芽依ちゃん。
「え?ヤミ金から金借りて、返せなくて追い回されてるんじゃないの?」
『変装ってだけで随分話が飛躍したね』
その想像力、素晴らしいけど。
…ってかあたしがヤミ金から金借りるような女に見えんの!?
「話が進まないわね」
誰のせいだと思ってんだよ!……………あたしだよね!芽依ちゃんならあたしのせいだと思ってるよね!!
「で、本当になんなの?」
『実は昨夜……』
あたしは昨日の晩、神山さんにされた話をした。