お助け部ッ☆
『よくわかんないけど、竜也に恨みでもあるんでしょ?』
「恨み、ねぇ」
ニヤリ、と意味深な笑みを浮かべた彼。
なんなんだよ、ほんと。
「恨みじゃねぇよ。劣等感」
そう答えたのは、神山さんだった。
『劣等感?』
「おう」
「劣等感じゃねぇしっ!!」
若干慌てる彼をよそに、神山さんは続ける。
「コイツが副社長してる会社、ずーっと望月財閥にくっついて回ってるんだよ。
企業内容が似てるからか、いろんな場面で対立する。
でも望月財閥は、どの業界でもトップなワケ。
つまり、頑張っても二位なんだよ」
だから竜也に劣等感?それはちょっと違うんじゃ……だって竜也、まだ望月財閥とは関わってないじゃん。副社長の彼とは違って、竜也はまだ高校生なのに……
あ。二位と言えば。
『新田、二位だ』
「んな!?」
あたしの呟きに、過剰反応する彼。
あ、いや…しょうもなくてすみません……
ふと浮かんだだけの親父ギャグでした。
「お、お、お前もかァァァ!!!!」
わぁぁ!!とうろたえる彼。
『え、なんすか?』
「さっすが竜也の彼女!」
ケタケタをお腹を抱えて笑い転げる神山さん。
マジでなんなの?
ってか、あたし彼女じゃないし。
「アイツな、竜也にも全く同じこと言われたんだよ」
目の端に溜まった涙を拭いながら、神山さんが教えてくれた。
あぁ、だから劣等感を……
……もしかしてあたし、地雷踏んだ?
『あの…なんかすんません』
床にへたりこむ彼に、そう声をかける。
「それだけじゃねぇっ!」
くわっ!と立ち上がった彼。怒りで拳をわなわなさせながら、
「アイツと俺はかぶってる!!」
と、叫んだ。