お助け部ッ☆
笑ってられんのも今のうち?
何よ、それ………?
……………でも。
『じゃ、今のうちに笑っとくね!新田、二位だ〜!!あはっ、あはははは!!』
あたしはこれでもか、と大爆笑してやった。
ヒィヒィ言って、笑い死にしてしまいそうになるくらい。
そんなあたしの様子を、これまた大爆笑で見ている神山さんと、あんぐりと口を開けて、呆然としている新田竜樹。
リビングは、異様な雰囲気が漂っていた。
『あはっ、あははっ…はあ〜…しんどッ』
笑い疲れたあたしは、深呼吸をする。
『はいっ、十分笑えました!』
もう大丈夫です、と新田竜樹に伝える。
「…マジ、なんなの?お前……」
『はい?』
へなへな〜と、力なくしゃがみこんだ彼。
「…これが、竜の選んだ女…“綾瀬姫香”だよ」
神山さんが、ニヤリと意味深な笑みを浮かべながら彼に言った。
…ってか何?あたし、竜也に選ばれてたの?
あぁ、お助け部に新入部員として入ったから……なのか?
「あの、飽き性で何事にもなかなか興味を示さない竜が、執拗なまでにコイツをそばに置いときたがってんだから」
そう言って、あたしの頭にポンッと手をのせる。
「………。」
なんだか、話ずれてない?
そんなことを考えているあたしを、無言で見つめる新田竜樹。
「そんなこと言われると…欲しくなるだろう?」
はあっ、とため息をついて立ち上がる彼。
欲しい?何が?
「お前と竜、昔から好み似てるもんな。だからよく衝突すんだよ」
クスッと神山さんが笑った。
なんか今の笑い方、無駄に大人の色気が含まれてたような気がしたのは…あたしだけだろうか。
…ていうか。今の言い方だと……
『神山さんて、この人より年上なの?』
頭上にある神山さんの顔を見上げて、訊ねた。
「年上も何も…アイツ、18だぞ?高3だし」