お助け部ッ☆
「よっぽどのお気に入りらしいな」
「そう言ってるじゃん。しつこい」
新田竜樹に対しては、やたらと刺激するような受け答えをする竜也。
ほんと、因縁でもあんのかな。
「……お前、俺と自分の好みが似てること、知ってるだろ。それから……お前が持ってるものを手に入れたくなる、俺の性格も」
新田竜樹がこちらに歩み寄ってきた。
「…知ってるよ。だから会わせたくなかった」
竜也はそう答えると、あたしを抱きしめる腕に力を込めた。
なんだ、なんだ?
何の話なのか、さぁーっぱりわっかんねぇぞ?
「綾瀬姫香」
『わっ!あ、はい…おぉ!?』
急に話を振られて驚くと、思ったより近くにいた新田竜樹に、もう一度驚いた。
「賑やかなヤツ」
そう言って笑った彼。
あ、笑うと……
『笑うと若返りますね。ちゃんと高校生に見えます』
「若返るってなんだよ。俺、現役だから!……ッんとに変な女…」
へ、変だとぅ!?乙女を罵倒しやがった!!
「なぁ…俺の女になる気、ない?」
『……はっ?』
文句を言ってやろうと思ったのに、意味のわからない一言のせいで言いそびれた。
「だーかーら。竜也やめて、俺にしねぇ?」
『………。』
竜也やめて俺に?
『……なんで?』
「なんでって……気に入ったから?」
『なんでそこ、疑問系なんだよ』
「あ、いいこと思いついた」
『無視?そこ無視なの?』
あたしの問いかけに無視をキメ込む彼は、竜也に向き直って言った。
「勝負しようぜ、竜也」
「勝負?」