お助け部ッ☆



「ご、ごめんっ」

「やだ」




望月君のもとに走りよって、突然謝りだした。


な、なんで?




「いや、そんな…ね?」




言葉が見つからないのか、あたふたと慌てている。


さっきからチラチラこっちを見てるのは気のせい……ではなさそう。


なんか助けを求められているみたいだ。




…意味がわからないんだけど。
状況から察するに…




『あの…望月君、怒ってる?』




近づいて、恐る恐る聞いてみた。




「竜也でいい」




返ってきたのは、まったくズレた言葉。




『…竜也くん?』




言い直してみる。




「くん、いらない」




注文多いな!!

ってかあれ?怒ってんじゃないの??




「ね、竜也って呼んで」




座ってる竜也が立っているあたしを見上げて言ってきた。



上目使いぃぃ!!
めっちゃ可愛いんだけどォォ!!計算か!?
あたし出来ないよ、こんな顔!!
弟子入りしてもいい!?




『あ、えーと……竜也?』



お願いされたからには呼ぶしかない。ってかそんな顔されちゃ呼んじゃうよ、誰だって。




「うん」



ニコッと笑った彼に、先ほどのお怒りオーラは出てなかった。


あら?戻った??
竜也って呼んだから??




「姫、助かった」




ホッとした顔の仁。




『仁…さっきの何?』

「竜の嫉妬」

『嫉妬?』




………。

あたしが仁を連れ出したから怒ったのか!?




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