お助け部ッ☆



莉央の!?




『もしかして莉央、もともとそっち系の趣味が…!?』

「ちがーうっ!!」

「あははっ…まぁ、勘違いするわな」




仁が大爆笑している。


だって…ねぇ?


莉央との初対面、女装してたし…




「莉央は…お助け部のヒロイン役をずっとやってたんだよ」

『ヒロイン役?』




意味が解らず、繰り返した。


仁は少し悩んでから、例えを話してくれた。




「部活中、やむを得なく女子校に潜入しなくちゃなんないとするだろ?」




待て待て。


部活中にやむを得なく女子校に潜入するってどんな状況!?




「そしたら男子禁制だから、【莉央ちゃん】登場ってワケ」

「姫ちゃんが入ってくれたから、僕が女装することもなくなってスッゴイ助かってるんだ♪」




なるほどね。


納得…できた…かな…?




『とにかく着替えてくるね』

「おうっ莉央行こーぜ」

「待ってよぉ〜」




二人と別れて更衣室へ。








『やっぱ誰もいないんだね…』




ちゃんとした更衣室で、何故かシャワー室まであったけど誰もいない。


だから誰が利用すんだよ、こんなとこにある更衣室…


利用してるから説得力ないけど。


あたしは紙袋に入っていた服を取り出す。




黒いノースリーブの上に、肩が出る白いニットのトレーナーを着て、下は赤いチェックのスカート。ボーダーのニーハイまで入ってて、完璧なるコーディネート。




莉央、こーゆー系も着こなすんだ……とか考えながら着替えた。




『うわ、ピッタリだ』




ホントにあたしと莉央って体型似てんだな…


莉央男だけど。


なんとなく複雑な気分になったあたしだった。




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