お助け部ッ☆



波立ってきた。




あれ?ここ露天風呂だよね?波立つわけ…




ふと横を見ると、ザブザブとゴリラが近づいてきていた。




『ちょ、マジで!?』




食べられるーっ!!




と、思ったが、そのゴリラはあたしの横に座った。




「ウホッ」

『あ、ども…』




なんか挨拶的なものを交わした。



ど、どーしよ…




『あの…奥さん…』




ん?旦那さんかな?でも一応女湯だし…




「ウホッ?」




あ、反応した!!やっぱ奥さんか!!




『あの…今日はどちらからお越しで?』




あぁ…あたし何してんだろ…ゴリラに喋りかけるとかどんだけ寂しいヤツ?


だいたいゴリラに日本語なんて……




「ウッホ」




くいっと親指で後ろの山を指した。



通じたァァ!?


あの山から来たんすね!?




『そうなんですか…奥さん旦那さんは?もしくは彼氏?』

「………。」




黙った。


ポッと頬が赤く染まった。


……気がしなくもない。




『奥さん照れちゃって〜』

「ウホホッ」




笑ってる?照れ笑い??



しばらくすると、山からもう一匹ゴリラが降りてきた。



また来た!?


あれ、奥さん顔赤い!?


……ように見えなくもない。




『あ、もしかして旦那さん!?』

「ウホッ」




そう言って(鳴いて)、温泉からあがると、
彼と共に山へ帰って行った。




『お幸せにーっ!!』




………あたしホント何してんだろ……





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