お助け部ッ☆



チラッと2人を見てみると。



あたしを見て固まってた。


あ、やべ。思わず叫んじゃったんだ……
うわー!【第一印象だけは良くしようね】って小さい頃から教わってたのに!!


………第一印象だけはって何?だけはって。


うちの親は早期からあたしをいい子に育て上げることを諦めたのか?


い、いいもん!姫香は強く生きていきます!!




1人百面相をするあたしを見て、爽やかくんと赤髪くんは数秒戸惑った顔をしてた。



が、突然爽やかくんがケタケタ笑いだした。




「お前おもしろー!!」




は?
なんか…うけてる?




『あ、あの…?』

「翔平が悩むの、久しぶりに見た!コイツいっつも瞬殺でアウトだもん」




あ、じゃあさっきの喜んでいいのかな?


…でも結局アウトだったじゃん、あたし。ダメじゃん、あたし。






「で?あんたこんなとこで…しかもこんな時間に何してんの?」




赤髪くんに聞かれた。


このままだと完璧不審者だよね?門の開け方もわかんないし……


何より味方が欲しい!!暗いし、広いし、すっごい怖い!!




『理事長室行きたくて…』

「「理事長室?」」




何故ハモる?




「理事長室なら……門くぐって300m直進、左折して250m直進、右折して500m、校舎入って『ちょ、ストップ!!』




説明してくれてる爽やかくんを遮った。


あの……ふざけてる?
校舎入るまでに1km以上も歩くんかい!!
どんだけ広いんですか!!




『メモる!もっかい言って?』




あたしはカバンを漁って紙とペンを探す。




「…めんどくせぇな。連れてってやるよ」



ワタワタとカバンを漁っていると、赤髪くんがそう言ってくれた。




君……もしかして心優しい?!


見た目不良でも心は…


ほら、不良が捨て猫拾ったら好感度がめっちゃ上がるやつ!


アウトって言われて何気に傷ついてたけど、あれも照れ隠しで……




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