お助け部ッ☆



『だって竜也が言ったんじゃん。みんな幸せになる【花嫁争奪戦】って……
もし彼女が田中さんを捨てたんだとしたら……そんな二人が結ばれても、誰も幸せになんてなれない。
竜也、そんなミスしないでしょ?』

「………。」




しばらく黙っていた竜也は、急に笑いだした。




「あははっ、やっぱお前最高!ほんといい女だな」




そう言いながら目尻を人差し指で拭った。


いやぁ…爆笑されながらいい女だって言われても…


いまいち褒められた気がしないんだけど…




「うん。彼女は田中を捨てたりしてない。まだ好きだよ。田中から離れた理由は、姫香の推測通り」




よかったあ……
でも…




『まだいっぱい問題が残ってるよね?それにみんな幸せって…やっぱり無理じゃない?誰かが……』




幸福に犠牲はつきもの。


こんなこと言いたくないけど……。




「大丈夫。最終目標は田中と彼女が結婚すること」

『若社長は?彼女に惚れてんでしょ?』

「若社長にはお見合いしてもらう。若社長好みの女で、しかも若社長に好意を持ってるヤツ。他に好きな女が出来たら失恋にはならないだろ?」

『じゃ、じゃあ…借金は?』

「連帯保証人にさせた友達、見つけ出して差し出す」

『その友達は…完璧不幸だけど……』

「んなの、自業自得だ」




すっげー!!

完璧じゃん!!




『これ成功したら超ハッピーエンドじゃん!!』

「だろ?昨日みんなで作戦会議した」




は!?あたしだけ内緒!?



そういや…あの部屋割り!


接点は、この依頼を遂行させるコンビ!




『なんだよ〜!せっかくお助け部入ったんだから会議にもいれてよ〜!』

「ごめんごめん。姫香、すぐ寝ちゃうんだもん」

『それは……』




眠いんだもん。




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