お助け部ッ☆
「…で、姫香には一番大切な役をやってもらう」
『大切な役?』
「そ。今までなら莉央がやってたんだけどな」
莉央が?……それって…
『ヒロイン役?』
「当たり♪彼女連れ出すから、代わりにウェディングドレス着て結婚式に出てもらう」
はっ?
「若社長のバックには取り立て屋のヤクザがゴロゴロいるから、バレたときどーなるかわかんない。
だから莉央でいくつもりだったんだけど……」
“ウェディングドレスだけは……何かを失いそうだから勘弁してぇ…”
「って言われた」
そりゃ男がウェディングドレス着るのは……
……莉央ならいける気がするけど…
『でもあたし、どーすれば?』
「背格好、彼女と似てるんだ」
あたしいろんな人と体型似てんだな…
どこにでもいるスタイルってこと?
なんかショック……
「ベールで顔もぼやけるし。だから、何も言わずに進行に従えばいい。あ、あと神父は俺がやるから」
『はっ!?』
「神父って、新郎の次に花嫁に近い位置にいるだろ?
いざとなったとき便利じゃん」
『そーだけど……神父に化けんのは花嫁に化けんのより難しくない?』
「式場、望月財閥のもんだから♪」
マジでか!!
「いやぁ、親父の息子でよかったよ」
……なんか知らんがお助け部って…
想像をはるかに上回ってるよ……すべてにおいて。