蜂蜜のような君に、恋をした


「名前は?」


「え?」


「君の」

突然名前を聞かれてドキッとする
嬉しく思う反面、緊張感も一緒についてくる


「み、蜜です!」


「みつ?」


「はい、風間蜜です」


「蜂蜜の蜜か?」


「はい、甘い蜜の、蜜です」


先輩はそれを聞くと少し口元を緩める
何がおかしいのか思っていると


「へえ、奇遇だな。俺の名前の漢字にも蜜が入ってるんだよ」


お揃いだなといたずらっ子のように笑いかけてくる先輩に吸い込まれそうになる
ただ漢字が同じなだけでにやけそうになる口元をぎゅっと紡ぐ

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