三年後に君がいることを俺は願う
第3章 一つだけの望み
進行


ーピッピッピッ

耳元に聞こえるのは心電図の音。
回りには白を貴重としたものばかり。
そして鼻を刺激する独特な匂い。

「生きてるんだ………」

私は生きている。
自分の手を見た。
開いたり閉じたりしながら私は室内を見回した。
酸素マスクをとろうとしたがめんどうなので取らなかった。

「………小鳥」

私の手を握っているのは、お母さんだった。
強く優しく………か弱いお母さんの手。
その手はどこかに暖かくて落ち着く。

「心配かけてばっかりでごめんね?」

辛いよね?
私かま生きててごめんね。
そしてありがとう。
こんな私のそばでずっと見守ってくれて。

ーピロリン

【クラスから新着メッセージが届いています】

クラスLINE?
そういえば何月何日?
私、まだ勉強会に一回も行けてないよ………。
提案したの私なのに。

【小鳥、また来なかった!】

【会いたいよ〜っ!!】

【最後はこいよな!】

皆は怒ったり心配したりのメッセージが綴られていた。
今回は未来のもある。

【未来:元気か?はやく来いよ】

未来………、心配してくれてるの?
君の中で私は生きているの?
そんなの困るよ………。
君の中から私が消えないとダメだよ。
振り出しに戻りたい。
君だけは失いたくないから。
だけど君と幸せになりたくない。
君と一緒にいたら離れたくなくなるから。

「………退院、できるかな」

私は未来のLINEを開いた。
着信が28件。
未読のが106件。
多いいな………。
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