三年後に君がいることを俺は願う
わかってたよ。
そうなんだろうなって。
長くはないことくらい………。
わかってた………わかってた………っ!!

「う………、ふぅ………っ!」

わかってたことだけど………それでも辛かった。
私に残された時間は残り一年。

「………小鳥っ」

お母さんの泣きそうな声が聞こえた。
だから慌てて涙を拭ってお母さんに笑って言った。

「大丈夫だよ、お母さん!私………強いから!!」

そうお母さんに言った。
ねぇ、お母さん。
私………うまく笑えてる?

「うん………、そうね」

お母さんは泣きながら笑った。
ごめんね、お母さん。
迷惑かけて………。

「明日は学校行くの?」

「………っ」

未来………と結局、話せなかったな。
明日、謝ろうかな。

「うん、行くよ」

それに………楽しまなきゃ。
残り一年しかないんだから。
残された時間を大切にする。
笑って過ごすって決めたもん。
後悔しないように。

「おやすみなさい、お母さん!」

私は部屋に戻ってベッドに横たわる。
昔は寝るのが怖かった。
一回寝てしまうと、もう起きれないと思ったから。
そのまま眠ってしまうのが怖かった。
だから寝るのが怖かった。

「………ん………っ」

私はいつの間に深い眠りに入っていた。
そして夢を見た。
あの頃の小さな私の夢を………。


『お母さん、私もお外で遊びたい!』

『小鳥はダメよ?お体が弱いんだから!』

そう言って私は毎日のようにお部屋の中で遊んでいた。
だけど。

『小鳥………っ!?』


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