「好きだよ、まゆり」
数人で固まりワイワイやっている女の子たち。

ジャージ姿で、部活終わりということがわかる。

そして紺に三本のラインのジャージはうちの学校のものだ。


あれは……あの子たちは。


足がガクガク震えだした。

鼓動が早くなる。

情けない。

まだこんなにも吹っ切れていない。


「……?」

グループの一人がふいにこっちを見る。

私はレジ後ろのタバコを補充する振りして背を向けた。


やだ……

こんなことしてもどうせ気づかれちゃう。

だってそのうちレジに来ちゃうもの。


私は馬鹿だ。

未だにこんなに気にしているのに

このコンビニは学校に近いからこうなる可能性も十分にあったのに

どこかで色々大丈夫だと高をくくっていた。

私はいつもそう。

自分の都合のいいように考えて、問題から目を逸らす。

いつも……あのときも。

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