「好きだよ、まゆり」
現実なんて、本当にクソ。


まだまだ暑い9月の朝。

むわっとした暑さにイライラしながら通学路を歩く。

周りには同じ制服を着た女の子たちがたくさん。

朝からなにをそんなに話すのか、ぺちゃくちゃ盛り上がっている。


「でさー、この前の合コンでー」

「親にスマホ取り上げられたの。ありえなくない?」

「今度シュースタのコンサート行くの!やばい!」


ピーピー、キャーキャー

あっちこっちで耳障りなノイズ。


……ああ、うざい。

まだ学校についてないけどもう帰りたい。



家から歩いて10分くらいのところにある女子校。

私はそこの二年生だ。

ちなみにバレーボールの強豪として有名で、私もそれが理由で入学を決めた。


でも、今は


「………」

ああ、もう!

現実なんて、本当にクソでしかない。


早く家に帰りたい。

今日の夜からアプリゲームのイベントだ。

まゆりにレアアイテムをプレゼントするためにも頑張らなくちゃ。

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