「好きだよ、まゆり」
………約一時間後

「わかった。それなら私バイトする。自分で携帯代払えば文句ないんでしょ!?」

私はそう叫んでいた。


なぜそうなったかといえば……


ダイニングに行くと、普段はあまり私に構わない父親が難しい顔して座っていて

目の前のテーブルには数枚の紙が置かれていた。

ここ数ヶ月の携帯電話使用料金だ。

それを見た瞬間、どうして呼ばれたかすぐに理解できた。


父は私を自分の向かいに座らせ、小さく息をはいてから話し始めた。


「晶。おまえ、最近ずいぶん携帯を使っているみたいだな」


指し示す携帯料金。

めちゃくちゃ高額……というほどではないが、確かに学生が携帯に使うには多いと思う。


原因はもちろんゲーム。課金だ。


まゆりのゲームは基本的に無料だが、アイテムなどに有料のものがある。

別にアイテムを買わなくてもいいのだが、購入した方がゲームを進めやすかったり、まゆりの特別なシナリオが読めたりする。



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