ずるい。

駅チカのそのお店はもう既にだいぶ賑わっていた。

「予約した藤原です。」

ご案内しますの声と共に店員さんの後を追うと、カウンターに通された。

藤原さんが私の分のイスを引く。

「ありがとう。上着かける?」

私はそう言って壁にかかっているハンガーを手にした。

「そんな気使わなくていいよ、でも、ありがとう。」

そう言って私に上着を差し出した。

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