ずるい。

「ははっ、謝らないから、怒んないで。」

彼の吐く息が鎖骨のあたりをくすぐる。

「俺も多分、雫のことずっと意識してたんだよ。けど、一緒。フタしてたんだ。一歩間違ったら、訴えられちゃうからね。
その分俺、今までのどんな奴より雫のこと甘やかすよ、自信ある。いい?」

「うっ、そのセリフがもう心臓に悪いっ。」

と言って、胸のあたりをキュッと掴む。

肩から離れた藤原さんが、私をじっと見る。

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