part of me
「「いただきます」」


兄が作ってくれた味噌汁をすする。


「飯、食ったら出かけようか。」


「そうだね。」



私と兄の春樹は、あの事件後、施設で1年だけ過ごした。


もともと、駆け落ち状態で結婚していた両親だった為、私達を引き取ってくれる身寄りなんて、どこにも無かった。


そして、兄が高校卒業すると同時に私達は施設を出て、二人での暮らしを始めた。

兄は、バイトをいくつも掛け持ちし、私の高校の学費を払ってくれた。

私も、そんな兄のおかげで、今年高校を卒業し、今はコンビニでアルバイトをしている。


粗末なアパート暮らしだけれど、私は今の暮らしに満足していた…―。


< 8 / 12 >

この作品をシェア

pagetop