part of me
「暑いな。今日は」

兄がシャツの袖で額の汗を拭いながら言った。


「もう10月なのにねぇ~」


私は両親のお墓の周りに生えている雑草を抜きながら、空を見上げた。


空は雲一つなく澄みわたっていた。


お父さんが好きだったタバコと、お母さんが好きだったお花を供え、線香に火を点ける。


そして、私と兄は長いこと手を合わせ、両親に語りかけていた。



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