死者の闇〜最期のメッセージ〜

村松かけるの妻は、悩んだ後に解剖することを了承してくれた。

「夫のことをお願いします……！」

「はい、必ず死因を特定します」

泣き続ける村松かけるの妻に、藍は真剣な顔で頷く。必ず死因を特定する、そう決意し藍は黄色いテープをくぐった。



その日の夜、藍は久しぶりに家族と食事を取った。両親は驚いていたが、喜んで藍に料理を勧める。

「藍、この肉じゃがおいしいぞ」

「空豆とトマトのサラダは食べる？」

藍は久しぶりのご飯に、「そんなには食べられないわ」と苦笑しながらご飯を口に入れる。おいしくて温かい。一度泣くと涙がすぐにあふれてくる。藍はこぼれた涙を拭い笑った。

少しずつご飯を食べる藍を見て、両親は安心したような表情を見せた。その時、玄関の呼び鈴が鳴り響く。

「私が出るわ」

藍は立ち上がり、玄関のドアを開ける。ドアの向こうには、懐かしさを感じる人が立っていた。

「霧島さん、大丈夫ですか？」

「随分痩せたな。きちんと食べていたのか？」