死者の闇〜最期のメッセージ〜
確かに、発見された遺骨は全員男性だった。福山美里は製薬会社で働いていた。しかし、藍は認めたくない気持ちが強く、首を横に振る。

「……そんなこと、あるわけないわ。だって美里さんは、お兄ちゃんの小学校からの同級生なのよ。美里さんが犯人なら、お兄ちゃんを美里さんが殺したことになるじゃない」

震える声で藍は言い、如月刑事を見つめる。如月刑事は申し訳なさそうな顔をしながらも、刑事としての正義感を目に浮かばせていた。

「藍、まだ怪しいというだけで福山美里が犯人というわけではない。少し落ち着けーーー」

「お兄ちゃんを失って、また誰かを失わなきゃいけないの!?」

藍の瞳から涙がこぼれる。藍が大声を出したためか、大河が「どうかしましたか?」と玄関に顔を出して驚く。

「霧島さん!!大丈夫ですか?」

藍の隣に大河は素早く近づき、藍の華奢な肩に優しく触れる。そして、泣き続ける藍の背中をあやすように優しくさすった。
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