岐阜のケーキ屋と車椅子少年。
そう思うのだが仲良さそうに話し込んでいる翔馬君と
その亜美ちゃんって子は、前髪がサイドに分かれており
ツインテールをしてた。
小柄の色白で可愛らしい女の子だった。
翔馬君と隣に並ぶと何だかお似合いだ。
それが何だか複雑で胸がズキッと痛んだ。
「あの子……車椅子バスケにも来ていませんでしたっけ?」
「あぁ、そうだよ。よく覚えていたね?
彼女は廣瀬亜美ちゃん。涼太と翔馬の
クラスメートだから仲がいいんだ。
今日は、買い物がしたいって言うから涼太と一緒に
付き添いで来たんだ」
涼太君と……?
涼太君をチラッと見ると複雑そうな表情で
亜美ちゃん達を見ていた。あ、私と同じなんだ。
彼も2人が仲のいいのを見て複雑な気持ちなのだろう。
すると翔馬君は、亜美ちゃんを連れて
私達のところまで来た。亜美ちゃんは、
自分のお母さんに車椅子を押してもらっていた。
「よう。涼太、圭一兄ちゃん。
びっくりしたじゃん。亜美から聞いたけど
一緒に買い物に来たんだって?」
「あぁ、亜美がどうしてもと言うから……」
「違うわよ。買いたい物があったから、ついでに
涼太も誘っただけよ!!」
「何で俺がついでなんだよ?
それなら俺を誘う必要はないだろ」
涼太君の意見に反論する亜美ちゃんって子。
耳まで真っ赤になっていた。言い合いをしている
2人を見て私は、女の直感ってやつか……もしかして
亜美ちゃんは、翔馬君のことが好きなのでは?
そんな風に思えてしまった。
気のせいならいいのだけど何だか不安になってきた。
「おい。お前ら……こんなところで喧嘩するなよ?」
「だって……涼太が。もういいわよ。翔馬。
こんな奴は、放っておいて一緒に回りましょう!?」
はい……!?
亜美ちゃんは、凄いことを言ってきた。
私は、驚き過ぎて唖然とする。ちょっと待って。
何でそこで翔馬君と回りたいと誘うの?
亜美ちゃんのお母さんも驚いていた。
「ちょっと亜美。勝手に決めたらダメじゃない。
翔馬君達だって予定があるのに……」