アンティーク
「ふーん」
将生は、明らかにその顔をニヤつかせて俺を見ており、その後にはちらっと玲奈さんの顔を見る。
バレるから、やめてほしい。
「まあ、でも、1番大きいのはその人に笑っていて欲しいって、一緒に笑っていたいって思うことかな」
「そうなんですね」
玲奈さんは少し考えると、何か納得した感じで僕の顔を見た。
目が合う。
「あ、あとは、その人の近くにいるとドキドキするとか?」
何度見られても、僕はやっぱりその玲奈さんの視線には慣れなくて、しどろもどろしてしまう。
それを隠そうと、サンドウィッチを食べて口を動かして心を落ち着ける。
「それで、玲奈さんはそう思う人っているの?」
聞きたい気持ちと聞きたくない気持ちが両方あって、でも聞きたい気持ちの方が俺の中で勝っていて、無意識にそれを聞いてしまっていた。
自分が落ち込むとかそんなことを考えずに。
ただ、彼女のことを知りたくて。
「それは…………秘密です」
ほんのり赤くなる彼女の顔は、絶対に恋をしているもので、俺はつい将生の顔を見てしまう。
「将生は? どうなの?」
「俺?」
突然話を振られた将生は、食べようと口元に持っていったサンドウィッチをその場で静止させる。
「俺ばっかり恥ずかしいし。将生も話聞いてるだけじゃなくて話しなよ」
「まあ、な」
本人を目の前にして、好きな人なんて言えるわけない……か。