Little Gang

カフェから出てみんなで駅に向かう。

カノンは近くのマンションらしいから徒歩。

リサは二駅先らしい。

私がいちばん遠くて方向もみんなと違う。

ブォンブォン

バイクのエンジン音が鳴る。


「嫌ーね、ケンカ?」


「でも野次馬根性で気になっちゃうよね」


リサが眉をひそめるけど、かわいい顔に似合わず不良LOVEなカノンはさりげなぁく見て・・・、


「ウソだぁ! すごいイケメンじゃんか?」


顔を赤くしてる・・・。


『興味ない・・・ただの近所迷惑』


「もーッ、ユリッ。 一期一会じゃないッ」


「私はパス〜。 ヒロ君一筋だもん」


みんなで顔を寄せ合ってると、


「おいッ、ユリ〜」


無機質な低音の声にハッと振り向く。


『アンリ』


物凄い数のバイク・・・。

単車に書かれたRoseliaって文字がちらっと見えた。

昼間っから暴走か。

・・・・やっぱり頭、みんなカラフルだ。

ほとんどメットしてないからよく見える。


「帰るぞ? 乗れ」


『過保護すぎじゃない? 友達もいい?』


「ヤだ」


「レディーファーストって言葉知ってる?」


『アンリ、送ってくれるって。 だからサ?』



2人は毛を逆立てた猫のように唸って威嚇しちゃってる。


「いやッ、ヤだって、ユリ・・・ダレ?」


『うん? アンリだよ? とりま兄さん?』


「ユリ・・・お前・・・兄さんって・・・元セフレ仲間の今彼だろ?」


兄さんは苦笑してる。


『彼氏面キモイよ』


・・・・・・


「玩具が口答えするなよ? 友達だっけ? あんま深入りすると自分の首を絞めるぞ?」


私達の会話に黙り込んでたみんなに兄さんが冷徹な微笑を向けると、「すみませんでしたっ」ととてもよいお返事。

カノンは駅前の店に顔を出すからと、駅前で・・・リサは近くのスーパーに駆け込んでいった。

私は男所帯の我が家へ。

みんなは当然のように、アジトの駐車場に単車を止めて・・・裏社会の情報を流す国のお偉いさんとカジノをやってた。


「ユリ〜明日はバイト送ってやる」


ご機嫌に札束を見せながら振り向く。

悪代官様々だね? 兄さん・・・。

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