Little Gang
「紳士気取ってるけど下心丸見え・・・」
「地雷踏むの止めような」
「るせぇ・・・黙って空気になってろよ」
「テメッ」
だんだんヒートアップしていく兄弟ケンカに、シュウさんがすかさず仲裁を入れる。
火に油を注いで炎上だ。
「六花は俺の餌だ。 ユリならまだしも六花に勃つわけないだろ。 誓って下心はない」
「俺はユリさんと腹を割って話したいだけ。ずっと一緒にいる気なら・・・自分から踏み込む勇気も必要だからさ・・・ただ、それだけなんだよ」
・・・消化隊・・・火を鎮火して・・・シリアスな空気ぶち壊してくださーい・・・。
「切り札使うなんて狡いですよぅ」
「俺抱かれたい男NO.1だし、誰よりも気持ちよくしてあげる自信あるんだけどなー」
「笑わせんな。ナルシストなだけじゃん?」
「コイツが、お前らと合意なしに手を出すっていうのは許さねえ」
外野の外にいた野獣がウガーッ!!と騒いでる。
「おい、ケンカしたいなら表に出ろッ」
先輩に促されてシンさんが話しだす。
「つうか、テメエらだけに任せてっと心配で部屋に引きこもってらんねーんだ」
「それもあるッ」
悔しそうに声を揃えて、うなずき合う。
「いちばん大事なのはユリの気持ちだよね?」
「恨みっこなしだよ」
「誰にする?」
先輩やリサ達はどんな妄想をしてるのか、またニヤニヤと、緩みっぱなしの顔で冷やかす。
YESナノカNOナノカトイカケラレテモ、ソンナカンタン二コタエハダセナイヨ。
『ユウタママにするよ』
「その理由は?」
『聞いてほしいって顔してるから?』
私の中でユウタママは紳士に部類されてる。
貞操の危機は億が一にもないはず。
でも・・・今の私は正常じゃない・・・。
「わかった・・・」
眉間に皺を寄せながらもヒロトさんはそう言ってくれた。
緊張した空気を消すように、
「ユリ、携帯変えたよな? ケー番とアドレス交換しよ?」
シュウさんが笑顔で携帯を差し出してきた。
シュウさんの言葉になぜかみんな慌てて携帯を持って集まってきて・・・笑えた。