Little Gang
「染谷さん、腰の痣も見せて?」
『うん・・・』
ハルカくんに言われて、そっとズボンを下げた。
ピンク色のそれをヒロトさんが撫でるように触れ・・・みんながまた顔を寄せるようにして見る。
「これ・・・もっとスゴい・・・」
「ああ、ピンク色のアネモネの花言葉は待望、待ち望むか・・・」
「愛情を象徴する色だよな・・・」
「ユリ、どうして、お前がこれを持ってる?」
さっきまでと違い、いくぶん落ち着いた・・・それでいて驚きのまじった声でシンさんは聞く。
『どうしてって・・・』
階段を上る足音が聞こえる・・・ガチャとノックなしに開けられた扉。
「ほう・・・」
・・・緊張感溢れる部屋に場違いな声・・・。
「無神さんッ」
「ああ・・・ってか、お前ら、俺の親友の女に手を出しただと・・・? 手を出したその時、お前らも同時に殺すと言ってあっただろう」
『・・・もう手遅れだよ・・・』
素早く上着を私の腰に巻いた無神さんに、涙目で頬をふくらませて言ってみた。
「そうか・・・あの世であの人に土下座しろ」
あ・・・冗談通じてないッ。
『そんなことより、実は・・・』
私は家に帰ってからのことを説明した。
「ユリ・・・お前言ってなかったのか?」
呆れた様子の無神さんを睨みつけた。