Little Gang
輝く雫は宝石のよう
『ゴメンナサイ・・・』
いろんな意味を含んだ“ゴメン”。
私は項垂れたまま、顔を上げられない。
「あ・・・うん・・・」
ハルカくんが困った顔でうなずいてくれる。
「ユリさん・・・巻き込んでくれないんだね?」
「なんで、頼んないの?」
ユウタママとシュウさんが何も言えない私を気遣うように見てる。
『もう普通の生活には戻れないから・・・』
「普通ってなんだよ?」
『私、は・・・みんなのことが、・・・っ嫌いになったの』
「・・・・・・」
シンさんは黙り込んでしまった・・・。
『だから、アイジさんとの約束を破ってもみんなから逃げたくなったんだよね』
「は? あんた馬鹿か。 人は嘘をつくとき瞳孔が開くんだったっけな」
ヒロトさん・・・そこは騙されてよ。
「ユリ・・・こっち来なよ・・・」
ヤダ・・・。
優しくされたら、作り笑いがダメになる。
「少し時間くれ」
ヒロトさんがそう言うと、みんなは部屋から出ていった・・・。、
ヒロトさんと2人きり・・・。
ヒロトさんが私の座椅子の前に腰を下ろして、私の顔を覗き込むように身を屈める。
「ユリ、胸糞悪い笑みはやめろ・・・泣き虫なあんたが見たい」
『・・・』
ヒロトさんが淋しそうに見てるのがわかる。
だけど・・・ニコニコ笑ってないと涙腺が緩みそうで・・・表情筋は固まったまま。
だって・・・甘えるのに慣れてない・・・。
「あんたが傍にいないと落ち着かない」
ヒロトさんの声が切なさを増す・・・。
いつもならゆる〜い気怠そうな声が、少し・・・揺れている。
私はただ・・・ニコニコと笑うしかできなくて。
「何も言わずに離れて、殺せって要求されて。・・・俺がどれだけ傷ついたかわかる?」
顔の緊張を解そうと、ヒロトさんは自分の頬を猫のように甘える仕草で擦り寄せてきた。
『・・・これ以外、方法がなくて・・・』
「あんたが犠牲になったら・・・結局俺は破滅を選んで死ぬ・・・」
フワッとした空気・・・ヒロトさんの香り。
ヒロトさんに抱きしめられていた。