Little Gang

「ユリさん、メガネかけるんだね? 右目はちゃんと見えてるの?」


一斉にみんなの視線が集まった。

しょうがないよね? 昔から視力悪いし・・・。

私は前髪をピンで留める・・・。


『ちゃんと見えてるよ。 普通に生活するくらいなら問題ないし。 ずっと薄暗い部屋に監禁されてたから夜目は効くけど・・・陽の当たる明るい場所は目が痛くて・・・』


「カーテン・・・買いに行こうか・・・」


ヒロトさんの声が優しく響く・・・。

古賀さんもみんなもうなずいてくれてる。

包み隠さずに言わなきゃ・・・。


『あのね? 私人より多くの音を拾っちゃうの』


は?

あ・・・またあの空気・・・。


『だからさ? ロックとかもギターの主張が激しくて、あんまり得意じゃないんだ』


「・・・クラシックは?」


ハルカくんが信じられないというように目を見張ってる。


『う・・・んと、煩く感じるかな?』


「どうして?」


『それは・・・楽器の音がこう、集合しすぎっていうか・・・』


はぁぁぁぁぁッ?

あちこちで声が上がり・・・、


「ギターやってるし・・・音楽好きだよな?」


『好き』


でも。

全てを賭けられるだけの情熱はない。

・・・なくしたんだ。


「ユリお姉様・・・もしかしてヒロトの作る音も、煩く感じてたりとか・・・?」


ワナワナと声を震わせてる。


『まさかッ、ヒロトさんの声は好きだよ?』


バタリ・・・貧血でも起こしたみたいにルナさんは倒れた・・・。

ルナさんを古賀さんが助け起こしてて・・・。


「染谷さん、話戻して?」


ハルカくんに促されてまた話し始める。
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