Little Gang

『兄さん。 君は、君の本当にしたいことをすればいいんだよ』


「したい、こと・・・? 俺の・・・?」


『・・・普通に憧れてるなら、いろんな価値観を持った人と触れ合えばいい。 遠回りしてもいいから本物の愛を探しなよ』


「シスコン卒業しろってか?」


『まあ、うん、そうなるね。 私より魅力的な女性なんてこの世に何千万人もいるんだから』


「・・・そうかよ。 好きになる努力はするが、貰い手がいなかったらユリと結婚するよ」


『ちょっと、黙ろうか? Roseliaは解散して、兄さんはこの街から出ていって』


「・・・景気のよくなる歌、歌ってくれ」


『はーい』


月に願い一つ届くように、届かない空の果てに手を伸ばした。

最後の仕上げやっちゃいましょう!

さあ、みなさんご一緒に♪

5秒前。


『愛しい君よ 未来を生きる子よ』


4・・・。


『繋がりゆく 魂に 宿る輝き』


3・・・。


『讃え 鮮やかな現実よ』


2・・・。


『いま 希望の光が また 輝く』


1・・・。


『君がいるこの街で』


カウントダウンが0になった。

ーーーその時。

ユウタママが懐に忍ばせておいた小さな機械のボタンを押した。

全てを終わらせる、断罪の証を。
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