Little Gang
それからストーカーと不法侵入などの容疑をかけられた私はなぜか身振り手振りで一から十まで説明し、延々と事情聴取を受けさせられた。
私とアイジさんの関係も包み隠さず。
渋々だが納得してくれたらしい。
『大迷惑』と棘のある返事をした兄弟を「まーまー」と宥めつつ、兄さんやRoseliaのことはさらりと流して話し続ける。
それで遺言、家政婦任命の書類。
ついでに紫苑に転入してて、クラスはハルカくんと同じとか?
制服は明日届く手筈だとか?
屋根裏が私の部屋だとか?
『よろしくお願いします』
「家事全般できるの?」
「部屋は絶対に入らないで。僕の所有物に触らないで。 掃除は自分でやりますから」
『うんッ』
「あと必要以上に干渉しないでくださいよ」
「色恋沙汰もNG。守れる?」
真剣な顔で見つめてくるみんな。
『安心して。 家政婦はプライベートまでは踏み込まないよ。 さすがにヤバいなって思った時は干渉するけどね?』
何でもかんでも手を貸すのは・・・ね。
「ウゼェ・・・俺に触れたら殺すぞ」
「ごめんね、染谷。 見ての通り、シンは誰に対しても乱暴でぶっきらぼうの一匹狼なんだ」
シュウさんは口角を緩く上げた。
シンさんは動物で例えるなら狼らしい。
それに比べて、天然お色気イケメンくんは初対面の私にも身構えることなく、意外にもすんなりと信じてくれたっけ。
んでも・・・掴みどころがない・・・。
あれ? ちょっと私に似てる・・・親近感?
考えてみても上手い表現が出てこない。
でもそれとは別になんかこう・・・目が笑ってない気も・・・。
ああっ!
我ながら上手い表現が閃いた!
誰にでもいい顔をする、まさに八方美人ってやつだ!!
愛想はいいけど信用できないタイプ。
常に安全地帯にいる人。
うん、狡いコウモリ男だ。
『シュウさんって、ピエロみたい。 ホストは天職なんじゃないかな? 』
私の質問に眉をひそめて「この女、何言ってんの?」って様子の6人。