Little Gang

『それと同じくらい・・・シュウさんの気持ちもちゃんと守りたいから』


だけど、今だけは許して。

今だけでいいから、“自由”をください。


『家政婦の仕事は慣れないけど、苦手なものがあるのは人間だから仕方ないよ』


慣れないけど、楽しめそう。


『私、“ここ”にいてもいい?』


「俺は・・・」


シュウさんが口ごもる。

でも、私は自分から口を開かずに言葉の続きを待った。

シュウさんが安心して過ごせるような未来を与えてあげられないのに・・・私の都合ばかり押し付けてた。

関西を拠点とするRoseliaだけど、最近は関東にまで侵略し始めている。

この地域も連日事件が起こっていて、明日は誰が狙われるかわからない。

身近にいる大切な人を失って、人は自分の犯した罪の過ちに気づくのだ。

私もシュウさんも、こんな風にいつも通りの朝を迎えられる確証はどこにもない。

Roseliaが私を血眼になって探しているのは、東京に上京してすぐに風の噂で聞いた。

居場所が特定されるのも時間の問題。

見つけ次第、秘密裏に処理される。
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