Little Gang
「年頃の女の子が、こんな得体の知れない奴らとひとつ屋根の下で過ごすんだ。 誰だって、詮索くらいしたくなるよ」
『・・・・・・・』
「自分の身を守るためにも、ね」
『シュウさんは、“守りたいもの”のために強い意志を持ってる人・・・だと思うよ』
なんて言っていいかわからず、視線をさまよわせながら、つい口にする。
「いや、さすがにそれは大袈裟すぎでしょ。 美化し過ぎだよ」
『そうかな・・・?』
「綺麗な人間じゃないしね。 染谷、俺も聞いていい?」
『なに?』
「お前は、何を守ろうとしてんの?」
まさか質問を返されると思ってなくて思考が停止してしまう。
弱者が虐げられるだけのこの世の中?
同じ哀しみを抱く復讐者?
友人や知人、蜃鬼楼、西郷兄弟?
多分、どの答えも違う・・・。
『・・・何を守ろうとしてんの、か』
私は目線を落とすと、自身に言い聞かせるように静かに呟く。
誰を守ってるのか、とか。
どういう目的なのか、とか。
そういうのだったら普通だけど・・・。
“何を守ろうとしてんの”って改めて聞かれると、ちょっと困るね。
焦りながら様子を見守ってるシュウさんに、顔を上げた私は、ふわりと笑顔になった。