Little Gang
ある日の教室にて
ん〜、大丈夫かなぁ。
お腹に優しいものは・・・。
私の席は転入生あるある、人目の入りにくい窓側の一番後ろ、これ幸いとばかりに携帯をいじってる。
授業はどれも簡単すぎて退屈。
一昨日の卵焼き(炭)でお腹を壊したルナさんは、腹痛で学校を休むと寝込んだ。
顔色が悪そうだったから、熱を測ろうと体温計を持って部屋に向かえば、突然、堰を切ったように泣きわめいて、「出てけよ! 殺すぞ!」と暴言を吐いてきた。
部屋には銃やら小型ナイフやら、殺傷能力のある武器があちこちに散乱してたけど、小さい頃からテロ組織の中で育ったし、荒れてた時期は銃が遊び道具みたいなものだったし。
今更ねぇ・・・。
途中までは看病してた私も、さすがに朝のホームルームを過ぎる頃には電車に乗って登校。
心配で何も手につかないのが本音。
早退しちゃう・・・?
ぐてっと机に突っ伏してると、「キャー」という甲高い声でリアルに引き戻された。
クラスのみんなは授業そっちのけで窓の外にある何かに夢中・・・。
男子も女子もだ。
座って他人事のように眺めてる私。
先生は頭を抱えてる。
「シン先輩〜ッ、おはようございますッ」
「ネトゲの神は〜?」
神・・・。なんだかわからないけどとにかくルナさんが心配・・・。
「課金勢でも戦力が足りねえよ」
「俺死んだ」
「あーマジで? 援護してやろうか?」
「ちょい待ち。 ルナに救助申請するわ」
『ん・・・甘いもの買お』
機嫌直してくれるかなぁ・・・・・。