Little Gang
「でもでも、カナリアのこと話したときだけはヒロ君珍しくテンション上がってた♪」
「珍しー! ヒロが自分から喋るとか」
「なら今夜のライブって本格的に新メンバーユリのお披露目なのかな」
ぶっちゃけ!
「カナリアも顔面偏差値高いし♪ もう挨拶してメアドもゲット済み!」
「出たよ青田買い! KANOさっすが〜」
「ヒロ君追っかけるにも繋がりは多い方がいいし〜♪」
面倒くさい!
「カナリアいいよぅ、ミステリアスで♪ 色気は足りないけど素敵な笑顔で癒されちゃうしぃ」
「マジ? いいよねー謎多きミステリアス感。 今から目つけとけば食えるかなー」
「ちょっとー、気早すぎ!」
「でも本命はヒロ君だけどね〜♪」
はあぁぁぁぁぁぁ。
「・・・おい、その顔やめとけ」
「ん?」
「今にも女を泣かせそうな顔」
「・・・・・・・」
俺はその言葉に、顔を覆い、深く深呼吸した。
兄貴が帰ってきたら、絶対付き合う子は選べって言おう。
外見に絆されないで内面を見てくれる、いいところ悪いところ全部ひっくるめて、兄さんだけを一途に愛してくれる優しい純粋な子。
まあ、そんな素敵な女の子が身近にいたら、俺が真っ先にアプローチしてるだろうけど・・・。
あ、いるか・・・。
1人だけ、理想に限りなく近い人。
家政婦兼可愛い後輩が。