続・政略結婚は純愛のように
「仕事熱心で黒瀬主任と天川さんに挟まれてもめげないガッツがあっていいわね。…でもそれよりも…ふふ、あなた全然お嬢様らしくないじゃない。」

由梨は頬を染めて俯いた。

「今井家では地味なのでよく怒られていたした…。」

「誤解しないでほしいんだけど、悪い意味で言ってるんじゃないのよ。みんな貴方のことが気に入ってるわ。そしてそんな貴方と結婚をした社長にも親近感が湧いたって言うメンバーも多いのよ。貴方のおかげで好感度アップなんて社長はラッキーね。」

由梨は驚いて山辺を見た。

「社長に…？」

　そうと山辺が頷く。

「今井さんみたいな人を奥さんに選んだってことでね。」

まさか、と由梨は危うく洗いかけのカップを取り落としそうになってしまう。
　由梨が隆之の妻であることがマイナスに捉えられることはあってもその逆はあり得ない。
　けれど山辺はニコニコとして頷く。
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