続・政略結婚は純愛のように
彼ならみっともない由梨の気持ちを受け止めてくれるだろう。
弱くて、すぐにくじけてしまうけれど一番大切な人と一緒にいるために、強くなろうと決めたこの気持ちを知って欲しいと思った。
けれどその機会は訪れないままある朝、隆之から2、3日東京へ出張すると聞かされた。
「ちょっとトラブルがあって…。とりあえずは数日の予定だけれどもう少し延びるかもしれない。」
少々難しい顔をした彼を由梨は心配して見つめる。
相当な激務が続いているところに東京まで行かなくてはならないほどのトラブルを抱えて、大丈夫だろうか。
けれどそれを口にすることや、ましてトラブルとは何なのかも聞くことはできない。
秘書時代の経験から社長が抱える案件に首を突っ込むことがタブーだと知っているからだ。
それはたとえ夫婦の間でも。
「…体に気をつけて下さい。ご飯はきちんと食べて下さいね。」
弱くて、すぐにくじけてしまうけれど一番大切な人と一緒にいるために、強くなろうと決めたこの気持ちを知って欲しいと思った。
けれどその機会は訪れないままある朝、隆之から2、3日東京へ出張すると聞かされた。
「ちょっとトラブルがあって…。とりあえずは数日の予定だけれどもう少し延びるかもしれない。」
少々難しい顔をした彼を由梨は心配して見つめる。
相当な激務が続いているところに東京まで行かなくてはならないほどのトラブルを抱えて、大丈夫だろうか。
けれどそれを口にすることや、ましてトラブルとは何なのかも聞くことはできない。
秘書時代の経験から社長が抱える案件に首を突っ込むことがタブーだと知っているからだ。
それはたとえ夫婦の間でも。
「…体に気をつけて下さい。ご飯はきちんと食べて下さいね。」