続・政略結婚は純愛のように
ニュース
由梨が隆之とスイートルームで過ごした次の日の午後、"葉山マリア脱税で逮捕"のニュースが日本中を駆け巡った。
由梨は夕方、東京出張の全ての日程を終えて、ネットニュースを確認していた黒瀬からそれを知らされた。
朝に由梨と別れる時、週末も東京でやることがあると難しい顔で言っていた隆之はこのことを知っていたのだろうと由梨は思った。
昨夜の彼がひどくくたびれていたのは、かつての恋人の苦境に心を痛めていたからなのだ。
「…昨夜の時点で社長は、知っていたのだろう。」
同じようなことは黒瀬も思ったようだ。難しい顔で呟いた。
「さっき山辺に確認したら、朝一番に社の方には、ノリスとの契約白紙が伝えられていたそうだ。詳細は追ってとのことだったらしいが、午後になってこのニュースだろう?企画課は大騒ぎらしい。」
由梨は頷いた。
「とはいえ、昨日のうちにノリスからは違約金が振り込まれているし、このまますんなり代替店舗が決まれば損害は最小限にとどまるだろう。」
「そうですか…。」
由梨はどこか上の空でその話を聞いた。
先週末にノリス側から突然、契約破棄の通達が来たという。
そして違約金も遅滞なく振り込まれた。
会社のエントランスで見た隆之と並ぶマリアの綺麗な横顔を由梨は思い出していた。
由梨は夕方、東京出張の全ての日程を終えて、ネットニュースを確認していた黒瀬からそれを知らされた。
朝に由梨と別れる時、週末も東京でやることがあると難しい顔で言っていた隆之はこのことを知っていたのだろうと由梨は思った。
昨夜の彼がひどくくたびれていたのは、かつての恋人の苦境に心を痛めていたからなのだ。
「…昨夜の時点で社長は、知っていたのだろう。」
同じようなことは黒瀬も思ったようだ。難しい顔で呟いた。
「さっき山辺に確認したら、朝一番に社の方には、ノリスとの契約白紙が伝えられていたそうだ。詳細は追ってとのことだったらしいが、午後になってこのニュースだろう?企画課は大騒ぎらしい。」
由梨は頷いた。
「とはいえ、昨日のうちにノリスからは違約金が振り込まれているし、このまますんなり代替店舗が決まれば損害は最小限にとどまるだろう。」
「そうですか…。」
由梨はどこか上の空でその話を聞いた。
先週末にノリス側から突然、契約破棄の通達が来たという。
そして違約金も遅滞なく振り込まれた。
会社のエントランスで見た隆之と並ぶマリアの綺麗な横顔を由梨は思い出していた。