続・政略結婚は純愛のように
「初日のテレビ取材に今井さんを出すという俺の提案も、散々社長から横槍が入ったくらいだからな」
物産展の初日は夕方のニュースの一コーナーで取り上げられた。
その案内役として百貨店の人間と一緒に由梨も出たのだ。
それを黒瀬が決めたとき、隆之からクレームが入った。
通常は百貨店の人間だけだったのになぜ由梨を出すのだと。
結局は由梨が隆之を説得したのだが、そのためにここでは言えないようないやらしい代償を払わされることになったのは記憶に新しい。
由梨は自分の顔が赤くなったのを感じて首を振った。
「…今井さん、本当にあんな嫉妬深い夫でいいのか」
そんな由梨を呆れたように見ながら黒瀬がもう何度も言った言葉を繰り返す。
由梨はそれに苦笑いだけで応えた。
たしかに隆之は由梨が思っていたより過保護で心配性だ。
けれどそれは今までろくに社会経験を積んでこられなかった由梨だから仕方がないのかもしれない。
由梨はしっかりとやっているつもりだとしても社会経験豊富な彼からしてみれば危なっかしく見えるのだろう。
それに普段は大抵口出しはしないで見守ってくれているように思う。
ただし、黒瀬がからむと…。
物産展の初日は夕方のニュースの一コーナーで取り上げられた。
その案内役として百貨店の人間と一緒に由梨も出たのだ。
それを黒瀬が決めたとき、隆之からクレームが入った。
通常は百貨店の人間だけだったのになぜ由梨を出すのだと。
結局は由梨が隆之を説得したのだが、そのためにここでは言えないようないやらしい代償を払わされることになったのは記憶に新しい。
由梨は自分の顔が赤くなったのを感じて首を振った。
「…今井さん、本当にあんな嫉妬深い夫でいいのか」
そんな由梨を呆れたように見ながら黒瀬がもう何度も言った言葉を繰り返す。
由梨はそれに苦笑いだけで応えた。
たしかに隆之は由梨が思っていたより過保護で心配性だ。
けれどそれは今までろくに社会経験を積んでこられなかった由梨だから仕方がないのかもしれない。
由梨はしっかりとやっているつもりだとしても社会経験豊富な彼からしてみれば危なっかしく見えるのだろう。
それに普段は大抵口出しはしないで見守ってくれているように思う。
ただし、黒瀬がからむと…。