続・政略結婚は純愛のように
「俺は会社の利益のために社員を犠牲にしたことは一度もない。今後もない」
「その貴方の甘さが!いつも吉と出るとは限りませんよ。大体社長は日頃から社員に甘すぎるのです」
そのとき、こらこらと笑いながら陽二が会話に入ってきた。
由梨と天川は頭をさげた。
「黒瀬、社長で遊ぶのはやめろ。佐々木さんが探してたぞ」
陽二の助け舟で二人の口喧嘩が終わったので由梨はほっと息を吐いた。
黒瀬は一礼して天川についてこいと告げると颯爽と人混みに消えていった。
黒瀬と隆之のこういったやりとりは企画課ではすでに名物みたいなものになりつつある。
名家の御曹司であり若くして会社の頂点に立つ隆之に黒瀬のようにポンポンと軽口を言える同世代はそうは多くはない。
そんな中にあって歯に絹着せぬ物言いの黒瀬は貴重な存在なのだろう。
困った奴だと言いながらも隆之が心の底では嫌がってないのは由梨にもわかった。
喧嘩友達のような二人であるが隆之が社員として黒瀬に大きな期待をしていることも確かで、会社の次世代を担うのはああいう奴だと言っているのを由梨は何回も耳にした。
「その貴方の甘さが!いつも吉と出るとは限りませんよ。大体社長は日頃から社員に甘すぎるのです」
そのとき、こらこらと笑いながら陽二が会話に入ってきた。
由梨と天川は頭をさげた。
「黒瀬、社長で遊ぶのはやめろ。佐々木さんが探してたぞ」
陽二の助け舟で二人の口喧嘩が終わったので由梨はほっと息を吐いた。
黒瀬は一礼して天川についてこいと告げると颯爽と人混みに消えていった。
黒瀬と隆之のこういったやりとりは企画課ではすでに名物みたいなものになりつつある。
名家の御曹司であり若くして会社の頂点に立つ隆之に黒瀬のようにポンポンと軽口を言える同世代はそうは多くはない。
そんな中にあって歯に絹着せぬ物言いの黒瀬は貴重な存在なのだろう。
困った奴だと言いながらも隆之が心の底では嫌がってないのは由梨にもわかった。
喧嘩友達のような二人であるが隆之が社員として黒瀬に大きな期待をしていることも確かで、会社の次世代を担うのはああいう奴だと言っているのを由梨は何回も耳にした。