続・政略結婚は純愛のように
「今井の屋敷にいた頃は父が好きだったこともあってずっと洋食だったんです…。私はどちらかというと和食好きだからせめてお昼くらいはと思って作り始めたんです。社食が美味しいのも知ってますけど、ちょっと…。」
由梨はいいよどむ。
社食が嫌だというわけではないが、前社長の娘で今井家の令嬢という肩書きがある自分はなにかと社内で噂の対象になりやすいという自覚はある。
社食などに行って好奇の目にさらされるのは嫌だった。
ましてや"社長夫人"という肩書まで加わった今は尚更。
けれどそれをそのまま口にするのは自意識過剰のような気がしてそれ以上は言わない由梨の気持ちを察した二人は、なるほどと呟いてそれぞれに納得している。
由梨はいいよどむ。
社食が嫌だというわけではないが、前社長の娘で今井家の令嬢という肩書きがある自分はなにかと社内で噂の対象になりやすいという自覚はある。
社食などに行って好奇の目にさらされるのは嫌だった。
ましてや"社長夫人"という肩書まで加わった今は尚更。
けれどそれをそのまま口にするのは自意識過剰のような気がしてそれ以上は言わない由梨の気持ちを察した二人は、なるほどと呟いてそれぞれに納得している。