続・政略結婚は純愛のように
弁天酒造を出た後は少し観光をして、隆之の運転する車で帰宅した。
その間の隆之にどことなく考え込むような雰囲気があったような気がするのは気のせいだろうか。
「サークルに入ってたんだな。」
夜、寝室のベッドで由梨が手帳を開いていると不意に隆之に声をかけられた。
「はい…。うちは、祖父の影響でほとんど洋食でしたから。なんだか私、和食への執着がひどくて。意地汚い動機ですけど。」
くすくすと笑いながら、由梨はオレンジ色のファイルを隆之に見せた。
サークルに入っていたときにまとめた資料で各地の酒造で作られる酒とその地の名産や地元ならではの料理を自分なりに整理したものだ。
大学を卒業してからもそういったことに触れる機会があれば書き足していて、今日の弁天酒造でのことも追加しておこうと引っ張りだしてきた。
その間の隆之にどことなく考え込むような雰囲気があったような気がするのは気のせいだろうか。
「サークルに入ってたんだな。」
夜、寝室のベッドで由梨が手帳を開いていると不意に隆之に声をかけられた。
「はい…。うちは、祖父の影響でほとんど洋食でしたから。なんだか私、和食への執着がひどくて。意地汚い動機ですけど。」
くすくすと笑いながら、由梨はオレンジ色のファイルを隆之に見せた。
サークルに入っていたときにまとめた資料で各地の酒造で作られる酒とその地の名産や地元ならではの料理を自分なりに整理したものだ。
大学を卒業してからもそういったことに触れる機会があれば書き足していて、今日の弁天酒造でのことも追加しておこうと引っ張りだしてきた。