続・政略結婚は純愛のように
「秘書としては良くやってくれているがこれは嬉しい誤算と言うべきだろう。つまり君の場合は配属の時にはあまり選択肢がなかったので。」
由梨は再び頷く。
「言葉は悪いけれど今井家のお嬢さんは会社に籍を置いても業務はしないと言われていたからね。」
隆之が少々バツが悪そうに由梨から視線を逸らす。
そろそろ由梨にもこの話の方向性が見え始めてきた。
「そこで今井家というフィルターを外して君を見てみると、今のポジションが適切なのかという疑問をここ最近私は抱えていたんだ。」
由梨は酒造へ行ったあの日の隆之の様子を思い出した。
「私の秘書は蜂須賀と長坂で不足はないし、西野さんはいずれ役員秘書として独り立ちさせたいという思いもあって長坂に育てさせている。一方で君はもう役員秘書として十分にやっていける能力はあると思う。…入社5年だからね、そろそろ次のステップへ進むべきかもしれない。」
由梨は再び頷く。
「言葉は悪いけれど今井家のお嬢さんは会社に籍を置いても業務はしないと言われていたからね。」
隆之が少々バツが悪そうに由梨から視線を逸らす。
そろそろ由梨にもこの話の方向性が見え始めてきた。
「そこで今井家というフィルターを外して君を見てみると、今のポジションが適切なのかという疑問をここ最近私は抱えていたんだ。」
由梨は酒造へ行ったあの日の隆之の様子を思い出した。
「私の秘書は蜂須賀と長坂で不足はないし、西野さんはいずれ役員秘書として独り立ちさせたいという思いもあって長坂に育てさせている。一方で君はもう役員秘書として十分にやっていける能力はあると思う。…入社5年だからね、そろそろ次のステップへ進むべきかもしれない。」