続・政略結婚は純愛のように
「…ちょうど一月だな。今井さんが来て。」
陽二はそれでも隆之の聞きたいことを話し始めた。
「心配しなくてももう彼女はすっかり馴染んでるよ。正直言って、お前が二課に今井さんを…と言ったときは、何を考えてるんだと思ったんだが。二課は黒瀬と天川がキツくて、アシスタントが続かないことは企画の人間なら誰でも知っているからな。そこに愛妻を送るとは…社長はドSなのかっていう噂もたったくらいだ。」
隆之は苦笑いで先を促す。
「でもよく考えてみれば秘書室の長坂女史と5年一緒にいたのだからそれくらいなんでもないことなのかもしれないな。とにかく、二人にあれをやれ、これをやれと追い回されても平気な顔をしているよ。…俺としてはそれだけでも二課の人手不足問題が解決してやれやれというところだが、よく観察してみると仕事自体も速くて正確だ。」
「…長坂が鍛えたんだ。」
隆之は心の中の当然だという気持ちを表に出さないように努めて素っ気なく言った。
陽二はそれでも隆之の聞きたいことを話し始めた。
「心配しなくてももう彼女はすっかり馴染んでるよ。正直言って、お前が二課に今井さんを…と言ったときは、何を考えてるんだと思ったんだが。二課は黒瀬と天川がキツくて、アシスタントが続かないことは企画の人間なら誰でも知っているからな。そこに愛妻を送るとは…社長はドSなのかっていう噂もたったくらいだ。」
隆之は苦笑いで先を促す。
「でもよく考えてみれば秘書室の長坂女史と5年一緒にいたのだからそれくらいなんでもないことなのかもしれないな。とにかく、二人にあれをやれ、これをやれと追い回されても平気な顔をしているよ。…俺としてはそれだけでも二課の人手不足問題が解決してやれやれというところだが、よく観察してみると仕事自体も速くて正確だ。」
「…長坂が鍛えたんだ。」
隆之は心の中の当然だという気持ちを表に出さないように努めて素っ気なく言った。