続・政略結婚は純愛のように
「企画課(うち)は、この最中はよくいただくんですけど、実はコーヒーの方がよく合うって今井さんがおしえてくれたんですよね。」
陽二の隣に座っている若い男性社員が嬉しそうに最中にかぶりついた。
陽二がにやにやとしながら隆之を見る。
「そうそう、一回試してみて下さいって力説されちゃってさ、それから皆、最中の時はコーヒーだよね。」
「ほんと、お嬢さんらしくないよね。最中以外にも県内で作られている大抵のおまんじゅうのことは知っているみたいよ。なんか工場見学にも行ったことあるって!」
「ああ、蛭子屋の栗まんじゅう?」
皆が口々に由梨のことを話すのをなんだか気恥ずかしく思いながら、隆之も最中の包装紙を開ける。
「社長。社長もお家で言われました?この最中のこと。」
若い女性社員に話を向けられて隆之は苦笑した。
「あぁ、言われたよ。…私ももうコーヒーなしでは物足りないな。」
やっぱりと一同から笑いが起こる。
隣でマリアがうち?と不思議そうに呟いた。
「葉山さん、さっきコーヒーを持ってきた子が今井由梨さん。うちの加賀の奥さんなんですよ。」
陽二がさらりと紹介した。
マリアは驚いたようにドアの外を見た。
ガラスの向こうでは由梨が自分の机に着席して再びパソコンと睨めっこをしてる。
「…秘書の方だとお聞きしましたけれど。」
マリアが彼女には珍しく戸惑ったように隆之を見る。
「つい最近、異動したんだ。」
「異動…?奥様が…。」
陽二の隣に座っている若い男性社員が嬉しそうに最中にかぶりついた。
陽二がにやにやとしながら隆之を見る。
「そうそう、一回試してみて下さいって力説されちゃってさ、それから皆、最中の時はコーヒーだよね。」
「ほんと、お嬢さんらしくないよね。最中以外にも県内で作られている大抵のおまんじゅうのことは知っているみたいよ。なんか工場見学にも行ったことあるって!」
「ああ、蛭子屋の栗まんじゅう?」
皆が口々に由梨のことを話すのをなんだか気恥ずかしく思いながら、隆之も最中の包装紙を開ける。
「社長。社長もお家で言われました?この最中のこと。」
若い女性社員に話を向けられて隆之は苦笑した。
「あぁ、言われたよ。…私ももうコーヒーなしでは物足りないな。」
やっぱりと一同から笑いが起こる。
隣でマリアがうち?と不思議そうに呟いた。
「葉山さん、さっきコーヒーを持ってきた子が今井由梨さん。うちの加賀の奥さんなんですよ。」
陽二がさらりと紹介した。
マリアは驚いたようにドアの外を見た。
ガラスの向こうでは由梨が自分の机に着席して再びパソコンと睨めっこをしてる。
「…秘書の方だとお聞きしましたけれど。」
マリアが彼女には珍しく戸惑ったように隆之を見る。
「つい最近、異動したんだ。」
「異動…?奥様が…。」